日米で異なるペインクリニックの治療法について

日本のペインクリニックの治療法は、主に局所麻酔薬を投与するブロック治療と言えるでしょう。一方、疼痛治療法の発達した米国のペインクリニックでは、これに加えて、神経刺激療法とドラッグポンプによる治療が盛んです。

神経刺激療法は、体内に電気刺激を与える装置を埋め込む方法で、ドラッグポンプによる治療法は、体内に設置したポンプを使って薬剤を投与するメソッドです。こうした医療機器を用いる治療法には様々なメリットがあります。まず、麻酔薬を極力使用しないことから、身体へのダメージを減らせることです。

ドラッグポンプによる治療法では、薬剤を用いるものの、経口薬と異なり、カテーテルを通じて患部に直接薬剤が届くため、最小限の量で済むのです。これにより、便秘や吐気といった副作用を抑えられる点が評価されています。

また、患部に直接作用するこれらの治療法は、劇的な効果が得られます。痛みのために寝たきり状態に陥っていた患者が、医療機器を用いる治療法により杖をついて歩けるようになったという報告もあるのです。

それから、神経刺激療法の機器とドラッグポンプの操作は簡単で、治療に時間がかからないメリットも指摘されています。体内に埋め込んだ医療機器を体外のコントローラーで操作できるので、外来患者の滞在時間が短縮されるのです。

もっとも、日本では医療機器を体内に埋め込む治療法が、一部の疾病治療にしか認められていません。治療自体は可能ですが、保険適用されないのです。今後は疼痛自体が疾病と認められ、徐々に日本でも医療機器を用いる治療法が保険適用されるだろうと言われています。