看護師に求められるペインクリニックでのスキル

ペインクリニックは、患者の痛みや痺れを軽減することを目的とするクリニックです。ペインクリニックを訪れる患者は、頭痛や腰痛をはじめ、帯状疱疹や坐骨神経痛など様々な部位の痛みを抱えており、看護師はそれぞれの症状に応じた治療を行わなければなりません。

ペインクリニックの治療は、鎮痛剤の投与のほか、主にブロック治療になります。ブロック治療とは、局所麻酔薬を痛む箇所に注射する治療法で、神経を麻痺させ筋肉を弛緩させます。また、ブロック治療により血行が良くなり、痛みの原因物質が洗い流されるでしょう。

ブロック治療には、単なる皮下注射だけでなく、神経に直接針を刺すなど様々な手法があり、注射が得意な看護師は、ペインクリニックで活躍できます。また、手先の器用さに加え、ペインクリニックの看護師は、患者の気持ちを汲み取るコミュニケーションスキルも欠かせません。痛みの軽減の効果は患者にはっきりと自覚されるので、ペインクリニックで治療を受けても痛みが治まらないと、時には不満が噴出してしまいます。

看護師は、患者の痛みについて十分聞き取りを行い、ブロック治療の方法や効果について患者が納得できるよう説明する義務を負います。1回のブロック治療で痛みが消え去る事例は極めて少ないです。注射自体も痛みを伴う行為ですから、患者は治療の場面でも苦痛に耐えなければなりません。

そうした状況に対してペインクリニックの看護師は、患者のストレスに配慮して、きめ細やかな気遣いを怠らないよう努めなければならないのです。